【倒産から学ぶ】経営・仕事の失敗から学ぶ「失敗をしない生き方」

公開日:2020/02/05

【倒産から学ぶ】経営・仕事の失敗から学ぶ失敗をしない生き方

 

【倒産から学ぶ】経営・仕事の失敗から学ぶ「失敗をしない生き方」

 

失敗の鉄板パターン

 

・調子が良いときほど本質的な課題に気が付きにくい

・成功体験にとらわれてしまい、変化についていけない

・組織が機能していないか(腐っていないか)

 

 

失敗は大きく2つのパターンがある

 

1)戦略に問題があったパターン

【倒産から学ぶ】経営・仕事の失敗から学ぶ失敗をしない生き方

 

1-①:成功体験から抜け出せないケース

 

これはイメージしやすいのではないでしょうか。

 

過去に「ポラロイド」というインスタントカメラを主力商品としていた会社がありました。

当時は、写真の塩蔵に数週間かかっていたところに、インスタントカメラは50秒ほどで現像できると爆発的な大ヒットに。

 

しかし、その後「コダック」というカメラ業界の巨人がカメラの現像時間を60分に劇的に短縮することに成功しました。

 

また、キャノンなど日本企業も技術力を売りにした画質の良いコンパクトカメラを発明。

 

「ポラロイド」の経営はたちまち落ち込みました。

デジタル化に踏み出そうとしていたポラロイドですが、デジタル化に向けた新しい企画は会社関係者にすべて否定され、かつて成功を収めた既存商品のブラッシュアップに舵を切りました。

 

結果、デジタルカメラが誕生したころには倒産を余儀なくされました。

 

 一度の成功に慢心してはいけないということですね。

 

 

1-②:成功率の低い計画で勝負したケース

 

どんなに優れたものでも、無計画ではいずれ頓挫してしまいます。

 

かつて 「鈴木商店」という三井・三菱商事と肩を並べた貿易商社の会社がありました。

第一次世界大戦の際の特需により、商品船舶業で大いに儲かった会社です。

 

しかし、第一次世界大戦後に、商品船舶の不良在庫が増え、さらに関東大震災の被害が重なり経営は大ピンチに。

加えて、資金調達先は台湾銀行のみであったため、銀行からの融資停止が決まると、流れるように倒産してしまいました。

 

失敗(倒産)の原因は、人に指図されないように株式会社とせずに資金調達先を台湾銀行のみに絞っていたこと、また事業の中核が不安定な貿易業であったことでした。

 

経営において「ヒト・モノ・カネ」のバランスが重要ですが、致命的に「ヒト」(ワンマン経営依存)と「カネ」(資金調達の甘さ)が足りていませんでした。

 

 

私たちも、自身の経験でヒトとのコミュニケーションが足りずに仕事がうまくいかなかったことや、予算はおりたが「モノ」(商品)が市場にニーズに合わないためにプロジェクトが失敗したことなどがありませんか。

 

何か一つが優れていたとしても、必要な要素を計画的に実行する思考が重要だとわかります。

 

 

2)マネジメントに問題があったパターン

【倒産から学ぶ】経営・仕事の失敗から学ぶ失敗をしない生き方

 

2-①:ライバルを意識しすぎて失敗するケース

 

日ロ戦争が勃発した1904年に創業した「千代田生命」は、戦死者の遺族への保険料を漏れなく支払うことで生命保険の国内浸透を助力し、ひと時は五大生命保険に数えられるほどに成長しました。

 

しかし、業界の競争が激化するにつれてシェアが低くなり、営業のカリスマが社長に就任。「とにかく量を増やす」ことでライバルに勝とうと考え、営業人員を大量に増員しました。

結果として、バブル崩壊までの短い間は好調でしたが、バブル崩壊とともに増やした営業人員が獲得して聞いた投資先が一斉に不良債権化し、倒産となりました。

 

ライバルに勝つという考えも大切ですが、失敗しないためには、まず自社(自分)に足りないものはなにか、逆に得意な点はどこかなど客観的に自己分析を行うことで、注力すべきリソースを判断する必要がありますね。 

 

2-②:そもそもマネジメントが適当で大雑把なケース

 

当時、ベンチャー航空企業であった「スカイマーク」は大手三社の寡占状態であった航空業界で、LCCを参考にして低価格かを実現することで大手の寡占を打ち破ろうと考えました。

しかし、あえなく大手の抵抗を受けて赤字経営に。

そこで対抗策として、燃費効率の良い小型機の導入やサービスの簡素化、高い搭乗率を維持する戦略が当たり、スカイマークは高収益企業に生まれ変わることに成功しました。

 

幸せもつかの間、2012年にあいつぐLCC勢の参入を受け、強みが薄れる事態になってしまいました。ここで、「格安・長距離国際線」への参入という無謀な施策が円高と燃料の高騰により大失敗。

結果、倒産することとなりました。

 

厳しい状況に置かれたからと言って、成功までの道筋や計画を明確にせずに、ただのイメージするだけで挑戦しては失敗する可能性が高いということですね。

 

2-③:トップと現場のコミュニケーションが欠如しているケース

 

 2000年ごろには世界第二位のエアバッグメーカーとなった「タカタ」ですが、戦後最大と呼ばれる「1兆円倒産」を申請した企業でもあります。

gendai.ismedia.jp

 

倒産に至った要因は2014年にアメリカで発生した大規模リコールの影響によるものだと言われています。

リコールの原因となった部品の不具合は工場の品質管理不備にありました。

現場は製品の品質不具合を軽微なモノだと勝手に判断し、トップへの報告を怠りました。いわゆる忖度をしたと言えるでしょうね。

 

結果として、エアバッグの不良品により死亡事故まで発生してしまい、タカタは戦後最大規模である「1兆円越え」の倒産となりました。

(倒産までの騒動の中で、経営層が謝罪会見を嫌がったという誠意の足りない対応であったと企業イメージも悪くなってしまいました。)

 

 ここで、一番の問題点は現場からの重要な情報がトップ(経営層)まで届いていないという点です。

 

報連相は社会人の基本です。これができないようでは失敗をして当たり前と言えます。

トップとのコミュニケーションが取ることができていれば、リコールが広がる前に防ぐことができたかもしれません。

 

【まとめ】経営・仕事の失敗から学ぶ失敗をしない生き方

【倒産から学ぶ】経営・仕事の失敗から学ぶ失敗をしない生き方

 

失敗の鉄板パターン

 

・調子が良いときほど本質的な課題に気が付きにくい

・成功体験にとらわれてしまい、変化についていけない

・組織が機能していないか(腐っていないか)

 

 

 失敗から学べることは数多くあります。

成功の法則を探す前に、過去の失敗から改善点を探すことから始めてみることもこれからの生き方に必要です。

 

 

(倒産企業については「世界「倒産」図鑑 波乱万丈25社でわかる失敗の理由」を参考にしています)

他参考文献

なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則

倒産の前兆 30社の悲劇に学ぶ失敗の法則 (SB新書)